No.415  2007年1月号
いじめを苦にした子どもの相次ぐ自殺。高校の必修科目の未履修の問題。教育基本法のタウンミーテイングでのやらせ問題など教育をめぐる異常な状況が続いている。
 教育の世界に競争原理が持ち込まれ、結果だけを求めた成果主義で、子どもも教師も追い立てられている。
 ストレスがたまれば、誰かをいじめて発散させたいと思う子が増えてくるという調査結果もある。いじめの増加は過度な競争主義と無縁ではないと思われる。
 高校の必修科目未履修は、高校教育の根本が問われる問題であるが、国公立大学の入学者数で競い合わせ、その結果が校長の評価につながるという競争主義のストレートな持ち込みのなかで起こったといっていいのではないか。
 こうした教育をめぐる一連の報道をみると、教育関係者のバッシングだけがやけに目立つ。もちろん教育関係者の責任は大きく問われなければいけない。
 しかし、こうした報道のなかで、教育関係者だけを悪者に仕立て上げ、教育の荒廃を招いた元凶を免罪しているのではないかと思え
て仕方がない。
(HSK)
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