No.383  2004年2月号
 「酒は百薬の長」 などといわれますが、 飲酒量が多くなったり、 習慣的飲酒になると、 種々の臓器障害や代謝異常が出現してくるとともに、 アルコール依存症へと進展することになります。
不適切な飲酒の害
〈急性影響〉
 ・人格の変化(自制心を失い暴力的・衝動的になる)
 ・酩酊による事故(機敏な動きができない・転落・溺死が多い)
 ・飲酒運転による交通事故
 ・急性アルコール中毒(中枢神経を麻痺させ、 死に至ることもある)
 ・血圧の急激な変化(自律神経に影響を与え、 血圧を急激に上昇させたりする)
 ・母乳にもアルコールが溶け込んで、 乳幼児にも害が及ぶ

〈慢性影響〉
 ・のど・食道(口に近い器官のただれ・口頭がん・食道がん・食道炎)
 ・肝臓(脂肪肝・肝炎・肝硬変・黄疸)・糖尿病
 ・胃(胃炎・胃潰瘍)
 ・小腸・大腸(栄養の吸収が悪くなる・カルシウム不足)
 ・脳(学習能力低下・集中力がなくなる・忘れ物)
 ・心臓(心拍数が増え、 負担が大きくなる)・高血圧
 ・皮膚(老化の促進)
 ・疲れやすくなる
 ・性機能(男性のインポテンツ・女性の生理不順)
 ・胎児性アルコール症候群(妊娠中のアルコールが原因で胎児の知能発達の遅れの可能性が高
  くなったり、 大小さまざまな奇形をともなう)
 ・アルコール依存症
 ・未成年者の飲酒(アルコール依存症になりやすい。 脳細胞の破壊を加速する)
 ・喫煙と飲酒でがんの発生を促進する

飲酒人口の4%約230万人がアルコール依存症(予備軍1500万人)と診断されて年々増える深刻な事態になっています。 アルコールの代謝能力には個人差がありますが、 1日に日本酒1合、 ビール中瓶1本、 ウイスキーW1杯(女性はその半分)以内を限度にし、 週に2日はお酒を飲まないで肝臓をいたわる休肝日をつくりましょう。


1. 適正な睡眠時間 (7〜8時間) をとる
2. 過労を避け、 十分な休養をとる
3. 喫煙をしない
4. 過度の飲酒をしない
5. 適度な運動を定期的につづける
6. 低塩分、 低脂肪のバランスのよい食事をとる
7. 間食せず、 朝食をとる規則正しい食生活



1. 適正体重《BMI20〜24=体重()÷身長()÷身長()》
   適正体脂肪《男25%未満、 女30%未満》を維持する。
2. 正常血圧《140/90Hg未満》をたもつ。
 
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