No.420  2007年6月号
 「ネットカフェ難民」(ネットカフェ=インターネットカフェ。飲み物や食べ物を注文し、決められた時間の間インターネットを利用できるカフェ。)という言葉をご存知ですか?これは働いても生活保護以下の賃金しか受け取ることのできないワーキングプア層の人を中心に、アパート代が払えないためにインターネットカフェで寝泊りする人たちのことを言います。いま、このネットカフェ難民が急速に増え、社会問題となっています。
 青年団体のアンケート調査によると「仕事が不安定でいつ収入がなくなるかわからないからアパートが借りられない」「アパート代が払えず二年間カフェで暮らしている」「手取りは月八万円。食事はカフェのドリンクやスープ」「一日中働いている。時給にすると四〇〇円ほど。次の仕事は収入が大幅にヘリ、アパートの契約更新のお金を貯金できなかった」など悲鳴が続出しています。
 ルールのない働かせ方の横行とそれを取り締まらない行政の怠慢。衣食住という生活の基本さえ保障できない社会保障の貧困の犠牲が青年層を中心におそいかかっています。働いてもまともに生活できないワーキングプアの実態はまだまだ氷山の一角しか見えてきていません。行政としてきちんと実態をつかみ、企業への労働監督・指導をし、自らも適切に生活保護受給を勧めるなど憲法の精神に沿って社会保障・福祉の制度を運用していくことが求められています。
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