No.416  2007年2月号
 昨年四月の介護保険新予防給付の開始により、借りていた福祉用具を取り上げられるなど、これまでは何とか暮らせていた人たちまでが不安でやりきれなくなる事態が増えてきています。
 そこには「短期証」「資格証明書」の問題とは違った社会保障の”壊れかた“があります。当生協での事例を紹介します。
写真と本文は関係ありません。
 二〇〇六年四月より介護保険制度が改訂され「予防重視」といいつつサービス利用抑制がおきています。特に二〇〇六年十月より軽度者のベッドが介護保険で貸与できなくなり、利用者は購入か自費レンタルか返却かを余儀なく選択させられました。
 下肢の動きが悪い橋本さん(仮名)にはベッドが引き続き必要と判断し、別のベッドを用意したのですが数日後に転倒し以前より状態が悪化してしまい変更申請をしました。
 介護保険の制度上、予防のためにベッドを返却した結果、より介護が必要な状態になったのです。これで良いのでしょうか。早々に制度の緩和や広島市の助成を求めていきたいと思います。
 不安神経症で受診をしている遠藤さん(仮名)ですが、介護保険の更新認定で要介護1 から要支援2 になってしまいました。(表参照)今まではヘルパーと一緒に買い物に出かけることができたのに今後は一人で行かなければなりません。ヘルパーと一緒に安心して外出することができていた遠藤さんですが、一緒に外出する機会も奪われ、自分はどうなってしまうのだろうかという不安が増し、更に神経的に落ち込む日々が続いています。
要介護状態
区 分
支給限度額全部を利用した場合の
利用者負担1 割の目安(1 か月あたり)
要支援1 4,970 円程度
要支援2 10,400 円程度
要介護1 16,580 円程度
要介護2 19,480 円程度
要介護3 26,750 円程度
要介護4 30,600 円程度
要介護5 35,830 円程度
昨年十二月五日には「憲法九条を守ってください」の署名行動が行われました。「僕は戦争には行きたくない」と言う若者や、「私たちはイラクと戦っている事を恥ずかしく思います。頑張ってください」と一緒に写真を撮るアメリカ人の親子に出会い、とても力が入った署名行動でした。
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