No.415  2007年1月号
 介護保険制度の改悪により今年十月から介護保険の認定が「軽度」の人は、原則としてこれまでの一割負担では福祉用具を借りることが出来なくなりました。当生協においても多くの人が対象外となり、返却や買い取りなど不白由と多額の出費を余儀なくされています。



 政府は二〇〇五年の介護保険法改定をうけた介護報酬の改定で、今年の十月から軽度(要支援一、二と要介護一)の人が福祉用具を借りる時は「自費」扱いとしました。これまで一割負担で借りていた人も十月からは自費となりました。(ただし、起き上がりや寝返りが出来ないなどの条件にあてはまれば例外扱いとなり、従来どおりの一割負担で借りられます)
 政府は介護保険の見直しの際「軽度の人が自分のことを自分で出来るようにするため」と説明していました。しかし、実際はヘルパーに頼るな、介護ベッドに頼るな、車いすに頼るな・・・といって生活と自立を支えていた用具を全て取り上げ、必要なら買いなさいとばっさり切り取ってしまいました。ベッドを返却した人は、「介護ベッドがなくなって、布団の生活になった。ひとりでは起き上がれない、本当に寝たきりになってしまいそうだ」「起き上がりにふらついて転んでしまい、骨折して入院(手術)してしまった」など政府のめざす自立した生活とは全く逆で、白立を妨げ、より介護が必要な事態を生む結果となっています。



 こうした事態に自治体も独自の助成を始めています。もちろん自治体の財政力によって助成の内容はまちまちですが、東京都をはじめすでに五十以上の自治体(十一月二十六日時点)が助成、あるいは議会で補正予算を提出(予定含む)しています。残念ながら広島ではまだ助成がされていません。必要な人から必要な用具が取り上げられている実態を自治体の担当者に伝え、自治体と一緒に改善策を進めていきましょう。
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