No.411  2006年8月号
 六月十四日、参院本会議で医療改革法が可決・成立しました。同法により高齢者の窓口負担は引き上げられ、保険料は年金から天引きされることになりました。長期入院が必要な人のための病床は、二十三万床削減されることになり、十月からの居住費、食費の自己負担と合わせ、安心して入院ができない仕組みが作られました。
 さらに深刻なのは、「混合診療」と呼ばれる仕組みが認められたことです。これにより保険がきく治療ときかない治療を組み合わせて行うことができるようになりました。日本の医療制度の一番の良さは「保険証一枚あれば必要な医療をすべて受けることができる」ということです。しかし、混合診療ではよりよい医療技術、最新の医療技術、新しく開発された薬などは保険治療の対象外とな
り、保険証があっても必要な医療が受けられなくなってしまいます。お金のあるなしによる命の不平等は許されません。
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