No.406  2006年3月号
 「姑は一度も介護保険を使うこともなく九十二歳で逝ってしまいました。気丈に一人暮らしをしながら・・・・・・」とはがきが届く。久しぶりにお茶を飲みながら話そうと八人が集まった時、欠席した彼女のはがきをみんなで読みながら、ステキな生き方だとうらやましがったり、もし病気になって寝込んだらとか、一人暮らしは少し不安、など自分のこれからを心配しながら大いに盛り上がった。
 そして、政府与党の決定した国民に負担を押し付ける「医療制度改革大綱」に話が及んだ。友人のひとりは「一月やっと七十歳になり医療費も一割負担になるとほっとしていたらがっかりで」「二月、三月でいろいろ診てもらう」「主治医にに割負担になるまでに出来るだけ直してくださいと言うと、無理ですと言われた」と笑う。集まれば昔ばなしをしたり、旅行や趣味、家族の話がいっぱいだが今日は違う。よくわからないと言いながらも新聞やテレビに関心を持って見ている。みんな詳しい。「世代間の不公平」の是正などといって「高齢者医療制度」をつくることへの不安や怒りは大きく「必要以上に病院に行っているわけではない高齢者が医者にかかる割合が高いのは当たり前のこと。そんなこともわからんのかね。騙されたらいけん」いつも穏やかな友人の語気があらい。
 みんな署名を自分から持って帰った。(HKO)
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