No.404  2006年1月号
 みかんは酸味と甘味が整い、実においしく大変人気の高い果物である。これはヒトの祖先がまだ森林で生活していた原始時代の食の要求からきているのかもしれない。猿の仲間は進化のある時に体の中でビタミンCが合成できなくなり、ビタミンCの多い果物への要求性が高まっていたはずである。酸味は食べ物が腐敗した時の味とも言われているが、私はビタミンCの存在を教える味と感じている。
 子どものころ「みかんが色づくと医者が青くなる」というくらい健康効果があると聞いていたせいか今でもよく食べる。
 植物繊維は主に果肉の外側に多いので皮を食べるキンカンは植物繊維はもちろんビタミンCがみかんの二倍も含まれているといって風邪の季節にはよく食べている。温州みかんは可食部の子袋を包むじょうのうにペクチンが多くこの部分を捨てるのはもったいないので食べる。
 最近ある本で柑橘類に含まれている成分に強い発ガン抑制効果があることが突き止められたとあった。そのひとつ、色素の一種であるクリプトキサンチンはみかんに限って「果肉部分」一個につき一〜二ミリグラム含まれ、完熟するほど含有量が多くなるそうだ。もうしばらく好きなみかんがたくさん食べられるときである。(HOK)
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