No.393  2005年1月号
 介護保険制度は五年目になり、厚生労働省は大幅な見直しを進めています。私たちはみんなに関係のある制度が「いつのまにか変えられていた」では困ります。
 十月二十八日に石倉康次先生(広島大学総合科学部助教授)を迎えて、「介護保険制度の見直しの動向」について学習しました。石倉先生は財務省、厚労省、財界の考え方など、見直し案の中身をわかりやすく話され、全体像や問題点、展望などが見えてきました。見直しのポイントは、
@保険料の徴収を二十歳以上の自己負担を「一割」から「二、三割」負担に引き上げる、
A施設入所の場合、食費や住居費は自己負担、
B要支援や要介護1などの給付を見直し、介護予防に重点をおく、C障害者支援費制度との統合、
など利用者の立場での見直しとは思えません。
 雇用不安で収入の少ない若い世代に保険料は無理です。利用料の負担が増えれば、必要なサービスが受けられなくなります。個人の意思が尊重され、心身ともに穏やかな生活がおくれる介護保険であってほしいものです。学習したことを地域に広め、ともに考え、介護保険改善署名などの行動が必要です。
(理事会社会保障・平和委員会理事 目次由子)
1月号TOPに戻る ≪前の記事 次の記事≫