No.391  2004年10月号
 脳は全身の状態をコントロールする器官であり、また一方では全身の影響を強く受ける器官です。脳の動きが悪くなると様々な体の不調が出現します。体の調子が悪いが検査を受けても異常がないと言われた時に、脳の検査を受けてみると意外な原因が分かることもあります。
 MRIは、脳の形や質の異常をとらえる最も有効な方法の一つです。ミリメートル単位の異常を発見することができます。この検査によって、症状が出現する前の状態で脳梗塞や脳腫瘍等の病気が見つかり、治療により悪化を防ぐことができます。また脳の中の血管の状態を調べることもできるので、脳梗塞の原因になる動脈硬化の状態を調べたり、くも膜下出血の原因になる能動脈瘤を発見することも可能です。
 MRIでは脳の働きの異常は分かりません。これを調べるためには専門医の診療や脳波などの検査が必要です。
 脳の検査を受けるためには神経内科を受診してください。神経内科は、精神科や心療内科とは違って心や感情の病気は扱いません。脳外科が手術で脳の病気を治療するように内科的に脳の病気を治療します。脳の専門医が神経内科です。
 また健康診断を受けるように、脳の健康度を知りたい方は脳ドックをおすすめします。健診科に申し込んでください。若々しく健康な脳を保つために必要な、一人一人に特別のアドバイスが受けられます。
 
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