No.384  2004年3月号

 今年の春から福島生協病院に高性能MRI装置がついに備わります。少し遅く訪れた春の感もあります。それだけに待ちに待ったMRI検査を生協病院で受けられる!
 MRI検査について杉本医師にお聞きしました。
 MRIとは超電導磁気共鳴診断のことです。
 みなさんがよく知っておられる画像検査として、おそらく超音波検査やCT検査がありますね。超音波検査は目の前で動いているもの(心臓やおなかのなかのあかちゃん)をその場でうつしだすことができるすばらしい検査ですが、組織を細かく区別して写し出す能力には限界があるようです。CT検査を繰り返し行うにはレントゲン被曝の問題も考慮しなくてはならないでしょう。
 MRIは被曝の心配はいっさいありません。
 昔のMRIにはいろいろな問題がありました。やたらうるさい、とにかく時間がかかるので動くところを検査する(内臓も呼吸性に動きます)には不適当だ、そして画像がおおざっぱだ、などです。いろいろな努力と経験の蓄積により、こういう不都合はずいぶん解消されてきて、短時間で検査が終了し、そして精密な画像が得られるようになりました。脳や背骨や関節の中、血管や内臓そして乳腺、ほとんどあらゆるところを縦横前後ななめの角度など自在に切り出せるかのように写し出すことができるようになってきたのです(注・全部がわかってしまう、というようなことではありません)。病気やけがの診断に大いに貢献できると考えます。
 また痛みを伴うことなく安全に繰り返しやれる検査ですから、治療の経過を見ていくにも大変すぐれている検査といえます。ほとんど唯一の弱点は、からだのなかに金属が埋め込まれていると不都合が生じることがある、ということであります。
 福島生協病院(とくに整形外科など)では、これまで多くの患者さま、組合員のみなさまに、他の病院でMRI検査を受けていただいてまいりました。いろいろとご負担をおかけしてきたことと思います。整形外科での使用はもちろん、健診での脳ドック・外科・産婦人科・内科・耳鼻科・皮膚科での診断に役立てたいと考えています。高性能MRIとともに、今年の春から、また一歩前進してまいります。
 MRI装置は高額です。みんなの増資で、そして仲間増やしで支えましょう。

●杉本清医師プロフィール
福島生協病院整形外科部長。
広島大学医学部一九八五年卒業。
 卒後研修は広島共立病院で。八八年愛知県の南医療生協、南生協病院にて研修。九〇年みなと医療生協、協立総合病院にて研修。九二年福島生協病院に帰任。〇二年川崎医科大学へ出向研修。〇三年帰任。趣味は釣り。
 
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