No.419  2007年5月号
 インフルエンザ治療薬「タミフル」使用後に中学生が転落死する事故が相次ぎ厚生労働省は医療機関に注意を呼びかけた。その後も異常行動は続き10代の使用中止を求める緊急安全性情報を出すよう輸入・販売元の「中外製薬」に指示した。
 この薬はギリアド・サイエンシズ社(アメリカの元国防長官ラムズフェルド氏が元会長で株主でもある)が開発、スイスのロシュ社が製造販売している。
 中外製薬によると「昨年度国内で860万人分が出荷され日本が一番消費量の多い国と思われる」という。国は治療用と予防用あわせて2800万人分を備蓄することを決めている。
 「タミフル」の服用と死亡例の因果関係を検証した厚生労働省調査会に参考人として出席した五十嵐隆東京大教授の研究室に中外製薬から計300万円を寄付したことも明らかになった。
 過去にも睡眠薬サリドマイドや胃腸薬キノホルムなど、「薬との因果関係が不明」として対策が遅れた例がある。薬害を防ぐには疑わしきは罰すという姿勢が不可欠ではなかろうか。
(HSM)
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