No.416  2007年2月号
 ワーキングプアという言葉をご存知ですか。ワーキングプアとはきちんと働いているのに最低限度の生活ができない”働く貧困者(層)“のことです。今このワーキングプアが急激に増加し、日本の全世帯のおよそ一〇分の一(四〇〇万世帯、一世帯平均二・三六人として約一〇〇〇万人)ともそれ以上とも言われ、格差社会の一つの象徴としてマスコミの報道にも多く取り上げられるようになりました。
 直近では昨年の七月と十二月にN H K がワーキングプアをテーマにした特別番組を放送しました。第一回目は「働いても働いても豊かになれない」を副題に、働く貧困層の実態とそれを生み出す構造を描きました。第二回目は「どんなに頑張っても報われない」を副題に「努力すれば抜け出せる」という論議への反論を試みました。事実を正確に描く内容とともに、これからどうすればよいのかにも少し踏み込んだ印象的な番組でした。
 「きちんと働いているのに、なぜ?」こうした状況が起こるのでしょうか。次回(三月号)はその原因をお話ししたいと思います。
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