No.404  2006年1月号
 昨年の健康に対する関心の高まりに伴い職場健診や、人間ドックなどを受診される方が増えていますが、婦人科検診というといくぶん敷居の高いものと考えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?厚生労働省はがんによる死亡者が総死亡者の約三割にも当たることから、早期発見を促すためにがん検診をある年齢より義務づけており、毎年多くのがん患者が発見されています。また、婦人科超音波検査で子宮筋腫などの異常が発見されることも少なくありません。今日は当科で行っている婦人科検診についてお話ししたいと思います。
 当科の婦人科検診では老人保健法で定められた子宮頸がん、、子宮体がんの細胞診に加え、詳細な問診とし腹部超音波検査を併用しています。
 子宮がんは大きく二つに分けられ、子宮の出口付近にで切るものを子宮頸がん、子宮の上部の子宮体部と呼ばれるところにできるものを子宮体がんといいます。日本人では頸がんは子宮がんの約七〇%、体がんは三〇%を占め、これらはまったく異なるがんであるため、どちらか一方の検診で他方を発見することはできません。これらの検診(細胞診)では子宮頸部あるいは体部を綿棒や専用器具でこすって細胞を採取し、顕微鏡で悪性細胞がないかどうかを調べます。診断率は他の臓器がんに比べてきわめて高く、有用な検診といえます。最近では早期に発見できれば、頸がんではがんの上部だけを取り除く手術、妊娠を希望する方の体がんでは薬物療法を行うことによって子宮を温存することが可能となり、早期発見の重要性はますます増加しています。
 婦人科超音波検査では、子宮筋腫、卵巣腫瘍などの有無をチェックします。子宮筋腫は三十〜四十歳代で多く発見され、筋腫の大きさ・数・位置によって症状が出ないこと、卵巣腫瘍も直径が五cm未満の多くは腹痛などを認めないことなどから、いずれも検診によってはじめて見つかることの多い疾患です。また、生理の量が多い、生理痛がひどいなどの訴えから、子宮筋腫や子宮内膜症など発見されることもあります。
 これらの検診で異常が発見された場合、引き続き当科にて治療をご希望の方にはすみやかに諸検査や薬物治療を行います(保険診療となります)。ときには手術が必要となることもありますが、一部の特殊な場合を除いてほとんどの婦人科手術、検査、治療を当科にて行えます。検診は頸がん、体がんの細胞診に超音波検査を加えても五分足らずで終了します。また、市町村からの子宮がん検診の葉書をご持参くだされば該当検査に関しては無料となります。
 日ごろ、ついつい受け忘れてしまいがちな子宮がん検診の重要性や子宮がんについてゆっくりとお話しを聴いてみませんか?
 参加費は無料で、どなたでも参加できます。
 みなさんの参加をお待ちしています。
問い合わせ
  広島中央保健生協組織部
  TEL 082-532-1264
主催
  広島中央保健生協 健康づくり委員会
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