No.402  2005年10月号
 サプリメントとは何かという明確な定義はありませんが、一般に、サプリメントとは、「体に必要な栄養成分や、特定の働きをする成分を補う食品」を指します。
 サプリメントと呼ばれているものには、錠剤やカプセルのように薬に似たものもありますが、「薬」ではなく「食品」なのです。そしてその「食品」は次のようなものがあります。
 最近よく見聞きするようになった「特定保健用食品」といわれる食品です。
特定保健用食品とは、健康を保つことを目的に作られ、科学的な根拠に基づいて厚生労働省が定めた条件を満たした食品
糖の吸収を穏やかにするお茶や、コレステロールの吸収を抑える飲料、体脂肪がつきにくい食用油やお茶、食物繊維入り飲料、虫歯になりにくいガム、おなかの調子を整えるヨーグルトなどがよく知られています。
 製造者や利用者が任意に「健康食品」を考えているもので、普段食べている食品と保健機能食品以外の食品を言います。ロイヤルゼリー、クロレラ、青汁、また最近ブームになったコエンザイムQ10、グルコミサンも一般食品に含まれます。
 今、健康ブームを背景に、サプリメントを利用する人が増え、薬局だけでなくスーパー、コンビに、通信販売と購入できる場所も拡大されています。
 心筋梗塞や脳梗塞の予防に使われる、ワーファリンを服用中は納豆を摂ってはいけないとか、降圧薬のカルシウム拮抗薬とグレープフルーツをいっしょに摂ってはいけないなどは、医師・薬剤師から説明を受け理解することができますが、サプリメントについては、個人の責任において使用するものなので、以下のことに気をつけましょう。
@ 薬を服用中、治療中の場合はサプリメントの飲み合わせにより、悪い影響が起こる場合があります。必ずかかりつけの医師に相談しましょう 〈例:降圧剤と血液を下げる効果のある飲料水を同時に摂取するなど〉。
A 多く摂れば効果が増すわけではありません。ビタミン(脂溶性)A・Dについては体内に蓄積して過剰症を起こすことがありますので、摂取目安以上は摂らないようにしましょう。
B 自分には何が不足しているのか見極めることが大切。管理栄養士や薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。
C 毎日使いつづけるものですから、飲んだり食べたりしやすい形で、保管しやすく手ごろな価格のものを選びましょう。
 そして、何より大切なことは、サプリメントを摂ることに頼って食事をおろそかにしないことです。必要な栄養は食事から摂ることが基本です。サプリメントを取ることは簡単ですが、まず食生活を見直すことが大切なのです。興味のある方は、ぜひ班会に取り上げてみてください。 
(福島生協病院看護師・東祥子)
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