No.399  2005年7月号
 尿失禁は不随意に尿が漏れる状態で、
@ 腹圧性尿失禁(重い物を持ち上げたり、咳やくしゃみなどによる腹圧の上昇で起こる尿失禁)
A 切迫性尿失禁(強い尿意切迫感とともに、尿をこらえきれずに漏れる)
B 混合型尿失禁(「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の混合型)
C 溢流性尿失禁(排出障害が基礎疾患としてあり、尿閉状態となり尿が溢れる状態で高度の前立腺肥大症などに合併する)
D 機能性尿失禁(痴呆などのためにトイレが分からない、排泄行為が認識できないなど)
に分類されます。
 尿失禁は成人女性の三〇%-四〇%にみられる頻度の高い疾患ですが、経産婦などに発生する腹圧性尿失禁に対しては、骨盤底筋体操が有効であり、三分の二に症状の改善が認められます。また、切迫性尿失禁に関しては膀胱の不随意な膀胱収縮を抑制したり、尿道周囲の筋肉を強める薬物療法があります。高度な腹圧性尿失禁の尿失禁の場合に対して、コラーゲン注入法(コラーゲンを尿道の周辺に注射器で注入し、尿道を閉じやすくする方法)や手術療法もあります。
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